今回はSEO集客の1つである「コンテンツSEO」について特集します。「そもそもコンテンツSEOって何?」という方も、この機会に理解を深めてみましょう。
現在、主流なSEO集客方法として使われることの多いコンテンツSEOを行っていく上で重要なポイントや、運用にあたっての最低限のルールなどを解説します。サイトを運用する上で役に立つこと間違いなしの手法なのでしっかりとした知識を付けて活用していきましょう。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、ターゲットとするユーザーにとって有益なコンテンツを提供することでGoogleなどの検索エンジンからサイトに集客を増やしていくSEO集客の中の1つの手段です。
ターゲットとするユーザーにとって質の高いコンテンツを継続して提供しFacebookやTwitterなどのSNSでも発信することで、今まで交わることのなかったユーザーからのアクセスを集めることができるSEO集客です。
有益な情報を継続的に発信することでユーザーにとっての信頼感も獲得することができ結果として様々なキーワードでSEO集客していくことができるようになります。これによりサイト自体のアクセスも伸びライバルの多いビッグキーワードでも上位表示が狙えるようになります。
ターゲットとするユーザーからの信頼が高まることで、自社の商品を効果的に販売することも可能です。非常に有効なSEO集客であるコンテンツSEOですが、継続的に有益な情報を発信するということは簡単なことではありません。
計画を立てずに始めてしまうとネタ切れになることも多く、効果が出る前に諦めてしまう方も多いのが現状です。事前にプランを練って計画的に情報を発信することで効率的に集客に繋げていくことができます。
SEO集客でコンテンツSEOが流行りだした経緯
「ユーザーにとって質の高いコンテンツを提供する」というシンプルで当たり前のいわば「原点回帰」のような特徴を持つコンテンツSEOですが、このようなSEO集客が当たり前のマーケティング手法が主流になった背景には2012年にGoogleの検索アルゴリズムが大きく変わったことが影響しています。
現在でも当然のことながら検索エンジンで上位に表示されるサイトには沢山のアクセスがあります。ユーザーが気になる疑問や問題などをキーワードによって検索された時に必要な情報を効果的に提供するのが検索エンジンの大きな役目ですね。
そんな検索エンジンですが、数年前はまだまだ未熟で単純なアルゴリズムだったため、SEO集客したい時は、サイト運営者自身がちょっとしたポイントをおさえるだけで簡単にサイトを上位表示することができました。
そのため、ユーザーが検索した時にSEO対策した価値の低いサイトが上位を締め、良質なコンテンツを提供しているにも関わらず日の目を浴びないサイトが沢山ありました。
この問題を解決するべくGoogleがとった対策が「ペンギンアップデート」と「パンダアップデート」と呼ばれる2つの施策です。以下に2つのアップデートの特徴をあげておきます。
ペンギンアップデート
2012年4月に実施されたアップデートでユーザーにとって価値の低いリンクの評価を見直すと同時に価値の低いリンクを沢山受けているサイトの検索順位を下げるようなアルゴリズム。
パンダアップデート
2012年7月に日本で実施されたアップデートで品質の低いコンテンツのサイトの順位を下げ、品質の高いコンテンツを提供しているサイトの表示順位を上げるアルゴリズム。
Googleの2つの大きなアルゴリズムのアップデートにより、コンテンツの質を重視する傾向が強くなり検索ユーザーにとって価値の高い情報を見つけやすくなるというユーザーの利便性が向上されました。
これにより、当時流行っていた自動サイト作成ツールでサイトを量産してリンクを受けまくるというSEO集客の手法は一気に通用しなくなりました。現在では検索エンジンのアルゴリズムの制度も増し、ユーザーが検索したキーワードに対して、必要価値の高い情報が上位に表示されるようになってきています。
「Googleすごい!これで良記事のみが上位表示される世界になる!」と思われたかもしれませんが、そのような仕様変更もすぐに攻略され、行き過ぎた攻略手法は逮捕こそなかったもののある騒動に発展します。
Welq騒動
2016年10月、DeNAが運営するサイト「WELQ」が「死にたい」というキーワードでサイトの記事が検索1位なっていることが問題視されたことをキッカケに、DeNAが運営する10個のキュレーションサイトが不正確で著作権を侵害している記事がある疑いで、サイトを非公開にする事態に発展しました。
具体的な不正内容としては、引用のレベルを超えた他者のコンテンツのコピー記事や、信憑性の低い情報を多数掲載したこと、専門知識のない外注ライターに記事作成を依頼し、無責任な記事を量産したことなどがあります。
引用を超えるレベルのコピーでコンテンツを大量生産し検索上位を狙い、引用ルールなどの知識のない素人に記事を書かせたことなどが問題となりました。また、権利侵害にあたるような画像も74万個以上も出たり、薬機法や医療法、健康増進法などで定められている法令を違反するような記事も発見されました。
ユーザーに対して価値の高いコンテンツを提供するという当たり前のルールや、他者のコンテンツを流用するというモラルを守れなかったDeNAの行動は、Googleのアルゴリズムのアップデート前に検索上位を取りまくっていたサイトの方針と同じような意図があると言えるでしょう。
このようなコンテンツは少なからず淘汰されていく運命にあるにも関わらずDeNAが運営する10個のキュレーションサイトでこのようなSEO集客手法が行われていたことはあってはならない行動でした。
ただし、この事実を冷静に見つめてみると、Googleの検索アルゴリズムには現在でも改善しなければならない問題が沢山残っていることを露呈したとも考えられます。
ただし、Googleはこの件に関して根本的なアルゴリズムの更新はしてないため(日本語検索の特別対応は実施「日本語検索の品質向上にむけて」)、現在でも、ユーザーにとって価値があるかという事とは別に、検索に有利なキーワードを大量に使った超長文のコンテンツなどはSEO的にも有利に働いている場合が多く、質の高いコンテンツでなくても検索上位を獲得しすることは可能です。
内容の薄い3万字や4万字あるコンテンツが上位に表示されるような仕組みはおかしいので、いずれこのあたりの仕様変更が実施されるのではないかと思います。
検索エンジンの穴をつくような手法を使うのではなく、コンテンツを提供する側として責任感のある行動と情報の提供を心がけることが重要です。
コンテンツSEOの実行ステップ
ゴールを決める
コンテンツSEOを実行するにあたって、まずはしっかりと計画を立てる必要があります。
ユーザーにとって質の高いコンテンツを提供するという大きなテーマは理解できますが、何をどのようなユーザーに提供するのかを決めないといつになっても結果はついてこないでしょう。
サイトにとって何がゴールなのか、コンバージョンを明確に設定することでどのようなコンテンツを作成するべきか明確になってきます。
あなたのサイトでコンテンツSEOを実行する上で何がコンバージョンになるでしょうか?メルマガ登録、自社商品の販売、資料請求、アフィリエイトなどサイトによってコンバージョンは変わってくると思います。
サイトにとってのゴールを明確に設定しましょう。
見込み顧客層をリサーチする
ゴールを明確にすることができたら、サイトのコンバージョンに繋がるような顧客層を決め、その顧客層のリサーチをします。沢山の情報が日々アップされている中で、自分の販売したい商品に興味を持ってくれそうな顧客層を明確にすることは非常に重要な作業になります。
インターネットや、または地道なアンケートなどでも良いでしょう、どのようなユーザーが自分の商品に対して興味を持っているかを調べましょう。顧客層が分かれば、そのユーザーに対して価値のあるコンテンツを作成することができます。
競合リサーチする
これからコンテンツSEOを実行する上でライバルの調査をすることも大切な作業です。ここでは自分が作成していきたいコンテンツや、そのコンテンツに関連するキーワードを実際に検索してみて上位表示されるサイトを見てみましょう。
上位表示されているコンテンツには必ず学ぶべきポイントがあります。実施しているSEO対策も学べます。競合するサイトが何故そのキーワードで上位を獲得できているのかを分析することで、自分が作成するべきコンテンツが明確になってきます。基本的には今、ネット上にあるものよりも質の高いコンテンツや分かりやすいコンテンツを作成する必要があります。
質の高いコンテンツを作成して、コンテンツSEOをうまくやっているサイトは上手く内部リンクを設定したり、自然な流れでアフィリエイト広告へ誘導したりなど特徴があります。
自分のサイトでどのようなコンテンツを作成していきたいか、同じキーワードで競合と競う場合、自分のサイトにはどのような強みを持ったコンテンツを作るべきかを考えてみましょう。
上記を踏まえてキーワード選定する
ここからはコンテンツSEOの実作業の部分に入ります。
コンバージョンの設定や顧客層などが明確になりライバルとなるサイトも分かったら、自分のサイトにアップしていくコンテンツの大元になるキーワードを選定します。キーワードの選定にはGoogle AnalyticsやGoogle AdWordsのキーワードプランナーなどを活用すると良いでしょう。
対象となるキーワードがどのくらい検索されているのかや、関連するキーワードがどのくらいあるのかを分析してキーワードを選定します。キーワードを調査しないまま、とにかく思いついたキーワードで書くとそもそも検索されないので読まれません。キーワード選定はSEO集客でとても重要なポイントです。
キーワードを選定する上で重要になるのが、キーワードの検索ボリュームです。検索ボリュームが多すぎるキーワードは競合も多いため、初心者の方がコンテンツを作成しても上位表示されることは難しいでしょう。
検索ボリュームは少なすぎても意味がないので、月100〜1000程度の検索ボリュームのものが好ましいと言われています。初心者でも良質なコンテンツを作成することで上位表示を狙えます。
メインのキーワードが決定したら、関連するキーワードも把握しておきましょう。Googleの検索窓にキーワードを入力した際に表示されるサジェストキーワードは、ユーザーがメインキーワードに対して興味を持っている内容を詳細に知る上で役に立ちます。
メインキーワードとサジェストキーワードの組み合わせで表示されるサイトを確認することでユーザーがどのようなことに興味を持っているのか理解することができます。
より興味を持ってくれそうなキーワードをコンテンツに含めるようにしましょう。
ライティング開始
設定したキーワードを元に実際にコンテンツを作成していきます。検索エンジンにとっても、ユーザーにとっても価値の高い記事を作成しましょう。記事の書き方はある程度統一しておいた方がユーザーにとっても読みやすいのでおすすめです。
競合となるサイトのコンテンツに対して足りていないと感じる部分を追加したり、上位表示されているサイトの情報をミックスさせてより読みやすい記事に仕上げるなどの工夫をすることが大切です。
基本的には今まであるものの真似ではなく、その記事よりも質の高いコンテンツを目指しましょう。
検証する
コンテンツの作成が完了してインターネット上に公開したら、そのコンテンツがどのように見られているかを分析しましょう。分析にはGoogle AnalyticsとSearch Consoleを使うと良いでしょう。
サイトに訪れてくるユーザーが、どんなキーワードを検索してアクセスしてきたのか、どの記事が沢山読まれているかを把握することで、サイト内で人気記事になっているキーワードに関連するコンテンツを作成して更にアクセスをアップさせるなど横展開するためのアイデアにもなります。
全てのコンテンツを真剣に作っていても読まれるコンテンツと読まれないコンテンツは分かれてきます。何が違いを生み出しているのかを理解するためにも頻繁に検証するようにしましょう。
また、ユーザー層などを把握して当初ターゲットとしたユーザー層と乖離がないか、クリックして欲しいバナーやボタンがどれくらいクリックされているかをチェックしましょう。
改善施策
検証が完了したら改善施策を打っていきます。
もし想定より上位表示されなかった場合は、より質の高い記事にするためのリライトが必要です。コンテンツは1度アップして終了ではなく、改善点を見つけてリライトしていくことで、よりユーザーが求めているコンテンツに仕上げていくことができます。
リライトをせずにコンテンツをアップするサイトも多いですが、コンテンツSEOで集客をしていきたい場合は必須作業と思ってください。上手くいっているサイトのコンテンツの作成日と更新日を確認すると、ほとんどのサイトが更新(つまりリライト)していることが確認できます。
どのように記事をリライトしていいのか分からない方もいるでしょう。そんな時は1つの目安としてライバルとなるサイトの記事を見てみることも大切です。競合サイトはどのようなタイトル、見出し、画像、文字装飾などで構成しているでしょうか。ユーザーに好まれるようなサイトには必ず特徴があります。
リライトの改善点を自分なりにリストアップしてみましょう。今よりも質の高いコンテンツにするための仮説を立てて実際にリライトしてみることで次に繋がっていきます。
また、コンバージョンに通じるボタンやバナーが全く押されないような場合は、場所を変える、記事で誘導するなどの施策が必要です。このあたりはトライ&エラーです。上手くやっている競合サイトや数値を見ながら色々試して検証してみましょう。
コンテンツSEOで大事なこと
サイトを運営する上で非常に大事なことはコンテンツを継続してアップしていくことです。
気合を入れて計画を立てても20記事でネタ切れしてサイトの更新が止まってしまっては元も子もありません。継続的にコンテンツを提供できているサイトは成長率も比例しているところが多いです。
目安として、まずは100記事ほどコンテンツを作りましょう。複数のコンテンツがサイトに蓄積されることで1つのキーワードでサイトに訪れた方が他のコンテンツに興味を持ってくれる機会を増やすことができます。サイト内にいる時間が長いユーザーはコンバージョンに繋がる可能性もアップします。
非常に効果の高いSEO施策であるコンテンツSEOですが、現在では様々なマーケティング手法があり、複数のマーケティング手法を使うことも当たり前になっています。
なのでコンテンツSEOをしていればOKと考えるのではなく、あくまでマーケティング手法の1つとしてサイトに導入するということを念頭においておきましょう。
設定するコンバージョンによってはコンテンツSEOよりも効果的なマーケティング手法がある場合もあります。比較と検討をして的確に活用するようにしましょう。
まとめ
「SEO集客の1つ、コンテンツSEOについてのまとめ」について解説しました。
PPC広告のように多額の費用を投入して顧客を獲得する手法に比べ、低コストで集客していくことができる反面、しっかりとした計画と質の高いコンテンツの作成が欠かせないということも理解できたのではないでしょうか。
良質なコンテンツは、長い目で見た時に力を発揮してくれます。そんなコンテンツを増やしていくことでサイト事態の力も強くなり、よりアクセスが集まるサイトに成長していきます。
検索ユーザーにとってもメリットの大きいコンテンツSEOを的確に使ってコンバージョン率を高いサイトを目指しましょう!