はじめに
ワードプレスのメニュー「ディスカッション」について解説していきます。
ディスカッションはワードプレスと外部とのやりとりを取り決める基本設定です。投稿した記事に関するコメントや記事作成者のイメージ画像(アバター)の基本設定をする項目があります。
各段落ごとに、投稿設定の各項目を解説し、実際にどのような動作になるのかを画像を交えて解説していきたいと思います。
ディスカッション
前述のように、コメントに関する取り決めや、アバターの初期設定があります。
ワードプレスの管理画面から、「設定」をマウスオーバーし、「ディスカッション」をクリックします。
クリック後、下記の画面が表示されます。
それでは、設定項目とその動作を順番にみていきましょう。
投稿のデフォルト設定
この投稿に含まれるすべてのリンクへの通知を試みる
チェックを付けると投稿内でリンクを貼ったサイトに対して「私の記事であなたのサイトのリンクを貼りましたよ」と相手に通知をします。
ピンバック機能と呼ばれ、ワードプレス固有の機能です。ワードプレス固有の機能のため、通知する側と通知される側の双方がワードプレスである必要があります。
百聞は一見に如かず、少し、実際に見てみましょう。
下記のように投稿する記事内に、参考にした相手先のリンクを貼り、公開をクリックします。
すると、相手のワードプレスは管理画面のコメントに数値が付きます。
(下記画像はリンクを貼られた方のワードプレスです。)
コメントをクリックします。
コメントの一覧画面が表示されますので、「承認」をクリックします。
リンクを貼られた記事を表示してみます。
本文の下に「ピンバック:」と書かれた欄が表示されました。
「ピンバック:渋谷でランチしてきました。」をクリックすると、リンクを貼った方の記事に飛びます。
新しい記事に対し他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける
こちらは初期値の設定です。各記事ごとに設定を変更することができます。
上で説明した「この投稿に含まれるすべてのリンクへの通知を試みる」が”送信するか”に対して、こちらは「ピンバックやトラックバック」があったときに”受信するか”になります。
トラックバックという新しい言葉が出てきましたので少し説明します(ピンバックは上記を参照下さい)。
トラックバックはピンバックと似たような仕組みです。自身が書いた記事が、他の人の記事を参考・参照したときに「あなたの記事を参考にしました、関連記事を書きました。」と相手に通知する仕組みです。
ピンバックが自動であるのに対して、トラックバックは相手の記事のトラックバックURLを取得し、ワードプレスの本文外の設定項目欄にトラックバックURLを入力する必要があります。
また、ワードプレスにはトラックバックURLの表示がありません。プログラムの中にコードを書けば表示されますが、説明したい内容からずれるため、ワードプレスから他のブログシステム(Livedoorブログなど)に送信する方を見てみましょう。
他のブログ記事からトラックバックURLをコピーします。
(下記はLivedoorブログです。)
記事のタイトル、内容を書きます。トラックバックのお作法として本文内にリンク先のURLを記入しましょう。
「表示オプション」をクリックします。
表示オプションの中から「トラックバック送信」にチェックをつけます。
画面の下の方にトラックバックURLを入力する欄が現れますので、先ほどコピーしたURLを貼り付け、公開します。
公開するとトラックバックURLの下に「送信済みトラックバック/ピンバック:」が現れます。
後は、トラックバックの送信先が許可をすれば完了です。
新しい投稿へのコメントを許可する
こちらも初期値の設定です。各記事ごとに設定を変更することができます。
コメントは各記事ごとの本文の下にコメント欄を表示させ、不特定多数の人が記事に対してコメントをすることができる機能です。
感覚値ですが個人的にブログを書いている人はコメントがON、企業の情報発信系のブログはOFFになっているような形が多いと思います。
それでは、画面を使って見てみましょう。
先ほどの記事を表示し、画面の下までスクロールします。そうするとコメント入力欄が表示されていますので、必須項目を入力し、送信をクリックします。
ワードプレスの管理画面に戻るとコメントに数値(1)が付いていますので、クリックします。
コメントの欄の「承認する」をクリックします。
記事に戻るとコメントが公開されていることが確認できました。
他のコメント設定
コメントに関する基本設定です。
コメントの投稿者の名前とメールアドレスの入力を必須にする
チェックを付けると名前欄とメールアドレス欄の入力が必須になります。
フランクなコミュニケーション、ディスカッションをしたい場合はチェックを外しておいた方がよいでしょう。
ユーザー登録してログインしたユーザーのみコメントをつけられるようにする
ワードプレスのユーザー機能で事前にユーザー登録されている人に限定してコメントを許可することができます(ユーザー機能については別ページで解説します)。
画面を使って見てみましょう。
(事前に「commentuser」というユーザーを登録しています。権限は「購読者」です。)
「ユーザー登録してログインしたユーザーのみコメントをつけられるようにする」のチェックを付けて保存します。
ブログ記事を開きます。
画面下の方に「コメントを投稿するにはログインしてください。」と書かれている欄がありますので、その中のログインをクリックします。
ワードプレスのログイン画面が表示されますので、ユーザーIDとパスワードを入力してログインします。
ログインすると記事の画面に戻ります。
下の方にスクロールすると、今度はコメント入力欄が表示されていることが確認できました。
○日以上前の投稿のコメントフォームを自動的に閉じる
現在から起算して○日以上前の記事のコメントができないようにする設定です。リアルタイム性の強いブログや時事ニュースを題材にした傾向があるブログはこちらのチェックを付けておいた方が良いかと思います。
昔の記事に対して大量の迷惑メールが届かないようにするような意味合いもありますので、スパム対策としても重宝します。
コメントを○階層までのスレッド (入れ子) 形式にする
コメントはコメントに対して返信が可能です。返信をするとスレッド形式で、返信元より1段下げた状態で表示されます。
ただ、階層が深くなると煩雑になり、視認性が悪くなる問題もあります。そのようなときに「階層化できるのは○段目までですよ。」と指定ができる機能です。
初期値では5階層までとなっています。
1ページあたり○件のコメントを含む複数ページに分割し、最後(最初)のページをデフォルトで表示する
1記事に対するコメント量が多くなると、スクロール(スワイプ)する回数が増えることによるユーザビリティの低下や視認性が悪くなるため離脱率が高くなる可能性があります。
この設定では、指定したコメント数ごとにページ分割することができます。また、初期値を最後のページか最初のページかを選択することができます(コメントのソートは次項目の設定で行います)。
例えば、コメントが6件あった状態で、「1ページあたり3件」で「最後」のページを表示する設定にした場合は、コメント3件が表示され、「過去のコメントへ」をクリックすると次の3件が表示されます。
古い(新しい) コメントを各ページのトップに表示する
こちらはコメントの時刻でのソート設定になります。「古い」の場合は時刻の昇順、「新しい」場合は時刻の降順に設定されます。
自分宛のメール通知
コメントのメール通知に関する設定です。コメントが投稿されたときにメールで通知を受け取ることができます。
コメントが投稿されたとき
チェックを付けると、コメントが投稿されたときにメールで通知を受け取ることができます。メールを受け取るのは記事の投稿者です。
メール通知の有無は記事ごとに決定することができないため、複数人で運営する場合は全員で取り決めの上、決定した方がよいでしょう。
コメントがモデレーションのために保留されたとき
チェックを付けると、承認待ちのコメントが届いたときに通知されます。コメントの他にピンバックに対して通知があります。
コメント表示条件
コメントの手動承認を必須にする
チェックを付けると、コメントが自動的に公開にならないように必ず承認ステップを踏むようになります。スパム対策、記事とは無関係なコメント、誹謗中傷的なコメントの対策になるかと思います。
すでに承認されたコメントの投稿者のコメントを許可し、それ以外のコメントを承認待ちにする
一度承認したコメント主の再コメントは承認しないで公開することができます。コメントへの「返信」にのみ有効です。
コメント通知に関する考察
上記4つのチェックは組み合わせで動作が変わります。ワードプレスの運用方法によって最適な設定が異なります。コメント通知に関する動作把握、最適な方法を知りたい方は号外へどうぞ。
コメントモデレーション
○個以上のリンクを含んでいる場合は承認待ちにする
コメントスパム対策です。届いたコメント内に○個以上のハイパーリンクがある場合は承認待ちの状態になります。
コメントの内容、名前、URL、メールアドレス、IP に以下の単語のうちいずれかでも含んでいる場合
こちらもコメントスパム対策です。入力欄に記入したワードに合致するコメントがあった場合は承認待ちの状態なります(入力欄は1語1語改行で区切ってください)。
ただし、スパム対策は基本設定のみで対応するのは困難です。ワードプレスインストール後の初期状態で入っているプラグイン「Akismet」を使う方法が推奨されます。
Akismetはスパムだと推測されるコメントやトラックバックを自動で判定してくれます。
コメントブラックリスト
こちらもコメントスパム対策です。上記と違うのは「承認待ち」になるのではなく「ゴミ箱」へと入ります。
アバター
コメントした際に表示されるイメージ画像です。FacebookやTwitterのプロフィール画像に似たようなものです。
アバターを積極的に利用するなら「Gravatar」というサイトに画像とメールアドレス情報を登録しましょう。ワードプレスの他にgithubなどで、Gravatarに登録した画像が共通して利用できます。
アバターの表示
アバター表示の有無が設定できます。
評価による制限
コメントした人がGravatarに登録済みであれば、Gravatarで設定した下記の内容に基づき画像表示の有無が決定されます。
ここでは、このワードプレスがどこまで制限をかけるかを決定するものです。
例えば、Gravatarに登録済みのコメンターAが「R」をGravatar上で登録していて、このワードプレスが「G」で登録していた場合は、コメンターAの画像は表示されないようになります。
デフォルトアバター
アバターの登録が無い場合のデフォルト画像を設定します。
まとめ
ディスカッションは一般ユーザー(閲覧者)とのやりとり、コミュニケーション方法を決める設定機能です。
コメントや通知を受け取らない場合は最初の「投稿のデフォルト設定」のチェックをすべてOFFにしておきましょう。