今回はSNSを活用した企業ブランディングについて解説します。
特徴の異なるSNSをビジネスに活用することで新たな顧客の獲得や自社商品の露出、今までリーチできなかったユーザーへサービスを届けることができるようになります。
地方の中小企業がSNSを使って全国的な知名度を獲得した成功事例なども交えて各SNSの特徴をまとめました。
Facebookの特徴
Facebookは国内アクティブユーザー2800万人ほどの巨大ソーシャルメディアで若者だけでなく40代〜60代の利用者が多いのも特徴です。ユーザーは基本的に実名で登録しているため信頼性の高いSNSでもあります。
幅広い年齢層のユーザーがいるためweb関連のサービスだけでなく地方の中小企業などもFacebookを上手く活用することで自社ブランディングに成功しています。
ユーザーは企業ページの投稿に対して「いいね!」「コメント」「シェア」のアクションを選択できるようになっており、気に入った投稿は自分をフォローしている人間に拡散することもできます。
企業ブランディングをする上で大きな魅力ともなっているターゲティング広告機能は、ユーザーの個人情報が充実しているFacebookならではの魅力で企業がターゲットにする層に対して的確にリーチすることができます。
テキスト、画像、動画など投稿する形態の自由度も高いので様々な形でユーザーにアピールすることができます。その反面、投稿する時間帯などでユーザーの動向が大きく変わるという特徴も持っているので、自由度が高い分、しっかりとしたプランニングが必要なのも事実です。
土屋鞄製造所は、長野県の軽井沢でハンドメイドの革製品を作っている企業です。全国に数店舗の直営店と自社HPのオンラインショップのみで商品の販売を行っていますが、約30万の「いいね!」を獲得しています。
土屋鞄製造所がFacebookでの自社ブランディングに成功した要因とされるのは素材の質感が伝わってくるようなナチュラルな写真と職人の作業風景などがスタイリッシュに紹介されているところです。
手作りの質感を大切にした企業の精神と柔らかな商品画像の組み合わせが思わず使ってみたくなるような気持ちにさせられます。
土屋鞄製造所らしい雰囲気のある投稿が共感を呼びファンを惹きつけていることがよく分かる事例です。
Twitterの特徴
国内ユーザー数約4500人のTwitterは20代前後の若い世代のユーザーが多く、匿名で利用することができるので、気になった人を気軽にフォローできるのが特徴です。
一度の投稿は140字までという文字制限があるので発信する側も受け手側も手軽に情報好感ができます。その手軽さから頻繁に情報を発信することも多く、タイムラインには新しい投稿が常に流れています。
気に入った投稿を自分のユーザーにシェアできる「リツイート」機能と投稿に対して「いいね!」を付ける2つのアクションを行うことができます。
Facebookと比較すると、その手軽さから正直な意見を述べる場所の役割も果たしており、しばしば「炎上」するようなこともある新陳代謝の激しいSNSです。
SHARPは、自社の商品を活用した簡単レシピや、著名人が実際に商品を使用した感想などを積極的に発信しています。Twitterのユーザーの感性を上手く捉えたつぶやきも多く「ツイッターはいいのですが、問題は自社のホームページです」といったスタッフによる正直なツイートもそのまま投稿されています。
ただの家電の宣伝ではなく若者に向けたユニークなツイートは結果として自社商品の販売や新商品の拡散にも繋がっています。その他にもユーザーが知らなかった商品の新しい使い方などが紹介されるので、つい見たくなるのが特徴です。
Instagramの特徴
もともとは写真に特化したSNSとして誕生したInstagramは国内に約2000万人のユーザーを持つ大きなSNSになりました。アクティブユーザーの年齢層は30代が多いというSNSの中でもユニークな特徴を持っています。
匿名性はFacebookとTwitterの中間程度で程よい距離感があります。ユーザーは自分の好みのユーザーを気軽にフォローすることができ、他SNSのように「いいね!」のアクションをすることもできます。
フォロワー数が圧倒的に多いユーザーは「インスタグラマー」と呼ばれ企業がスポンサーにつくことも多く、今ではビジネス目的として使われることも非常に多くなりました。個人のアカウントだけでなく企業のアカウントも増え、お店の情報を画像メインで発信するユニークなSNSになっています。
NATIONAL GEOGRAPHICは、元々は紙媒体の雑誌として世界的に有名なメディアでしたが、Instagramの登場で今までNATIONAL GEOGRAPHICを知らなかった世界中のユーザーに認知されるようになりました。圧倒的なフォロワー数を獲得できた要因は何と言っても世界中の神秘的なスポットや風景写真などNATIONAL GEOGRAPHICにしか撮れないような写真や動画をアップしたことにあると言えます。
1日の更新頻度も10件程度と頻繁に投稿がアップされるので、ユーザーは次の投稿を自然に見たくなります。本来は雑誌へ掲載するための写真が今では世界中の人にメディアを知ってもらう入り口のような存在になりました。
画像と動画を軸においたSNSだからこそのインパクトのあるブランディングが功を奏した分かりやすい例と言えるでしょう。
LINE@の特徴
国内の月間ユーザーが約7000万人を突破したLINEは、日本国内では圧倒的なシェア率を誇るメッセンジャーアプリになりました。
企業がユーザーに対してサービスを提供できる仕組みは、一昔前のメールマガジンをより発展させたようなサービスになっています。
LINE@はLINE内で企業がユーザーに情報を提供するだけでなくクーポンを発行することができ、ユーザーはリアルタイムでお得な情報を受取ることができます。クーポンの種類も1回で失効するものから何度でも使えるものまで柔軟に設定できるのが特徴です。
Youtubeの特徴
世界第2位の検索エンジンとも言われているYouTubeは今回紹介したSNSとは違い動画に特化したサイトなので、毎日アクセスするユーザーはそこまで多くないですが、日本人口の77%以上がYouTubeを閲覧したことがあるという調査からも分かる通り浸透率はかなり高いです。
企業アカウントも取得することができるYouTubeは親会社にGoogleを持っていることもありターゲットのマッチングの精度も非常に高いのが特徴です。活用次第で個人でも大きな成功を納めている人間も沢山います。
動画という強みを活かして商品紹介や使い方などを紹介できるので、小売店や中小企業、飲食店などのブランディングにも適しています。
資生堂は、YouTubeを企業ブランディングに活用していることで有名で自社のメイク用品を活用した様々なアレンジ方法などを紹介しています。著名人を積極的に活用することでターゲットとする年齢層のユーザーからのアクセスを効果的に集めています。
テレビのCMのノンカット版を流したり制作秘話などを語る動画を発信することでメイクに関心がある女性ユーザーと資生堂という会社に興味がある社会人のユーザーの集客にも成功しています。動画という分かりやすいメディアを活かした雰囲気作りがそのまま企業ブランディングになっている成功事例と言えるでしょう。
まとめ
各SNSはそれぞれに異なった特徴を持っています。今回、成功事例として紹介した企業も1つのSNSに特化しているわけではなく、ほとんどの企業が全てのSNSで情報発信をしています。
企業ブランディングについて何もアクションを起こしていない企業の方は、まず1つのSNSでも良いので始めやすいものから活用してみることをおすすめします。
最初はフォロワーが少ないため効果が薄いかもしれませんが、発信することで新たな発見があります。もちろん、続けていればバズる可能性も高くなりますので、継続したユーザーとのコミュニケーションが大切ですね。